美容室と理容室って何が違うのか?
男性なら一度は思う事ですよね。
男は理容室に行くべきなのか美容室に行くべきなのか・・・?
美容室のカットと床屋のカットって一緒だと思いますか?
美容師の僕から言わせてもらうとかなり違います。
簡単に言うと美容室は女性の髪を扱ってきた歴史が長い。
床屋は男性の髪を扱ってきた歴史が長い。
世界と日本の違いからもこの違いを解説していきたいと思います。
床屋ブームの到来
オランダのロッテルダムにある世界最高峰といわれるバーバー
「Schorem」シュコーラム
シュコーラムはクズ野郎って意味ですね。
こういったカリスマバーバーの作り出すメンズのヘアスタイルが世界的には人気の王道です。
バーバー=理髪師、理容師、床屋
もともと黒人の流行だったサイドやバックの髪を0mmで刈り上げていくフェードカットは世界中で流行して数年前から日本でもじわじわと流行っていますよね。
こういった海外で流行るようなショートバック&サイドやフェードスタイルは日本では少数派でした。
日本はアニメブームの影響でかわいい男子像という特殊な文化の影響でこういったハードなスタイルは受け入れられにくいんですよね。
なぜって?
日本の一般的なモテる男子像はこんな感じじゃないですか(女子目線)↓
世界的にはこういう感じがモテの王道なんですが↓(そもそも男子などと呼ばない)
日本だとちょいワルとか言って若干バカにされる傾向にすらあります。
この違いは大きくて美容室のメンズカットってどちらかというとアニメ男子みたいなカットの需要が多かったんですよね。
でもサッカーのワールドカップやラグビーのワールドカップを通じて世界中で切り込んだクールなヘアスタイルが流行っている事を知った日本人の男性もやっぱりかわいいよりもカッコいいほうがいいじゃんとなってきたわけです。
そこで得意な刈り込みでバーバースタイルを作り出す床屋ブームというのが日本でも沸き起こったわけです。
美容室と床屋はカットが違う
美容室と床屋のカットの1番の違いはキッチリ切るのかラフに切るのかの違いです。
そもそも美容室に髪を切りに来る男性はソフトな感じの人が多くて「ザクザクっと無造作な感じ」や「柔らかくて清潔感のある感じ」のオーダーが多いです。
それが突如がっちり刈り込んだスタイルが流行りだしたもんだからみんな焦って練習するわけです。0mmバリカンとか…
そもそも美容師は日頃女性の長い髪を切っていますからね。
一方床屋は毎日男性の髪をビシっと短く切り込んでいます。
日々バリカンで刈りまくっているし理容師免許の国家試験でバリカンを使うくらいなのでバリカンの達人です。
(美容師は働いてるサロンでなんとなくバリカンつかってみる程度の人がほとんど。下手な人が多い)
業界的に言うと美容師は丸く切る、床屋は四角く切る。
という違いもあります。
丸いシルエットはソフトでかわいい印象になるので女性を切る時は丸いシルエットを意識します。(正確には丸みのあるひし形)
一方スクエアな形は男らしさや強さクールさの印象を作るので男性を切る床屋さんは四角いシルエットでキッチリ切るんですね。
その四角さやキッチリさが嫌で美容室に髪を切りにくる男性が増えました。
でも近年流行っているようなきっちり刈るフェードショートは床屋の方が上手いです。
実際に僕も0mmフェードは練習したしできなくはないけどちょっと苦手です…
床屋さんと言っても1000円カットじゃダメですよ?
シュコーラムのようなバーバースタイルを目指している床屋さんのカットはまさに職人技。
美容師にはなかなか真似できません。
美容室と床屋は法律が違う
美容師免許と理容師免許は違います。
わかりやすい違いは理容師はカミソリを使う事が認められているという所でしょうか。
法律的にいうと
理容 頭髪の刈込、顔そり等の方法により容姿を整えること(理容師法第1条の2第2項)
美容 パーマネントウェーブ、結髪、化粧等の方法により容姿を美しくすること(美容師法第2条第2項)
こういう定義の違いがあります。
美容師免許で床屋さんで働く事はできないし、理容師免許で美容室で働く事はできません。
ちなみに床屋さんによくあるあの赤と青と白のくるくる回っている3色ポール。
あれは動脈、静脈、白は包帯を表して表しています。
これは中世のヨーロッパで理髪外科医というのが理容師の原型になっている事が由来です。
髪を切ったりヒゲを剃る事は身体の一部を切るということで兼ねていた歴史がありますが長くなるので今回は割愛させて頂きます。
美容室と床屋は専門学生時代から違う
僕の通っていた専門学校は美容科も理容科もある理美容専門学校でした。
美容師は主に実習時間は仰向けのシャンプーを練習したり、パーマのロッドを巻く練習や国家試験のカットの練習などをしていました。
理容科の人は座ったままの態勢でシャンプーをする練習をしていました。前にぐっと倒してうつ伏せで流すんですよね。
あれっていつ息をしていいのかわからないですよね。
ヒゲのついたウィッグでひげ剃りの練習を沢山していました。
実技試験にバリカンを使うというのも理容師ならではです。奥が深いんですよバリカンって。
美容室と床屋を使い分ける
男は美容室と床屋どっちで髪を切るべきか?
といわれると、やりたい髪型にあわせてと答えるしかありません。
顔そりをしてもらうのが好きなら床屋の1択ですね。
たまに美容室と理容室が一緒になっているようなサロンで美容免許しかもってないのにひげ剃りをしちゃうというクレイジーな人もいるみたなので注意ですが。
メンズカットを押してるいわゆるメンズ美容室も最近は多くなっていますが
キッチリ刈り込んだり、正確なビシっとしたベリーショートを望むなら床屋の方がいいと思います。
床屋っていうと頑固そうなおじいさんのイメージが強いかもしれませんが若き理容師たちも従来の床屋のイメージを変えていこうと頑張っているようです。
逆にビシっとした感じが嫌でもっとナチュラルでラフなニュアンスが好きだったら美容室の方がいいと思います。
美容室と床屋の違いのまとめ
今回は美容室と床屋の違いについてまとめてみました。
床屋に行ってる男はダサいみたいな風潮が一昔前にはありましたが今は外国のようなおしゃれな床屋も増えたきていますからね。
むしろ「床屋」というネーミングがダサい。
もうバーバーでいいじゃんって感じ。
美容室でもメンズの集客に力をいれているお店は多いです。
美容師の僕からのアドバイスをまとめます。
- メンズ客を歓迎していない美容室はメンズカットが下手。特に刈り上げとか
- いかにもな床屋だとおじさんっぽい髪型にされるかも
- ナチュラルで女子ウケがいい髪型なら美容師のほうが得意
- ハードで男っぽい感じにしたいなら床屋のほうが得意
- 男の薄毛について美容師は知識がない人が多すぎる
- 平日の大きな美容室は主婦だらけで居心地悪い
こんな感じです。
得意不得意があるので行ってみたいお店のホームページやブログを見て、メンズカットが得意そうかどうか?
ナチュラル系なのかハード系も得意そうなのか?
自分の好みと合わせてみて考えると失敗が少なくていいと思います。
現場からは以上です。

